Ripple (リップル)とはなにか?

今回はRipple(リップル)の解説記事を書いてみました!

経済のグローバル化が進んでいく中で、現在の国際送金(決済)市場は、50年前に作られたシステムを使用しています。そのため、送金に3-5日かかり、手数料も5-10%と割高です。

そこで、この非効率な国際送金市場を変えようと、Ripple社が誕生しました!

Ripple社は国際送金における様々な規格を統一し、RippleNetを構築しました。このRippleNetを使うことで、誰もがメールを送るより簡単に、お金(価値)を世界中に送信できるようになるのです!

それでは、Rippleとは何か?詳しく見ていきましょう٩( ᐛ )و

Ripple(リップル)とは?

Ripple(リップル)とはなにか?

それは、米国に拠点を置くRipple,incによって開発された国際決済システムのことを指します。

この決済システムを用いて、現代の非効率なシステムを1つにまとめ『価値のインターネット』(IoV)を実現しようとしています。

「価値のインターネット」とは、メールを送るよりも簡単に、お金(価値)を送信できるようになると言ったイメージです。

この決済システムは「Ripple Net」 と呼ばれており、「XRP Ledger」と「ILP」によって構築されています。


・XRP Ledger
ネットワーク上に展開されている分散型の暗号台帳(ブロックチェーン)
2012年に【David Schwartz】【Jed McCaleb】【Arthur Britto】によって作成された。この台帳には、これまでのXRPの取引が全て記録されており、まさにXRPのコアとなる台帳   XRP Ledger

・ILP (Inter Ledger Protocol)
世界の異なる決済システムをXRP Ledgerにつなぐために開発された国際標準規格(オープンプロトコル)2015年に【Stefan Thomas】【Evan Schwartz】によって開発された。

具体例を上げると、LINE Payの決済システムを国際送金に対応させるため、RippleNetと連結させると言ったイメージです。(ILPがあるからXRP Ledgerと連結できる)

RippleNetを使うことで、今まで何日もかかっていた国際送金が4秒で完了し、コストも大幅に低く抑えられます。さらに、送金する前に手数料がいくらかかるのか分からないと言った問題や、送金ミスの発生といった問題までも解決することができます。

現在の国際送金は、通常3-5日程かかり、失敗する確率は6%程といわれています。マイナーな通貨の場合、スーツケースに現金を入れて飛行機で運んだ方が早いとまでいわれているほどです。さらに手数料も高く、フィリピンの出稼ぎ労働者は、5000円を母国に送るだけで10%もの手数料を取られてしまうのです!

こういった課題を解決しようと、立ち上がったのがRipple社だということです٩( ᐛ )و

2020年8月現在、300以上の金融機関がRippleNetに参画しており、三菱UFJ銀行、MoneyGram、AMERICAN EXPRESSなど誰もが聞いたことのある企業も参画しています。

それでは、次章からXRPとはなにか?見てきましょう!

XRPとは?

XRPとはなにか?

それはXRP Ledger上で発行された暗号通貨のことです!(リップルとXRPは全くの別物)

時価総額は約1.3兆円となっており、仮想通貨市場では第3位に位置しています。

発行枚数は1000億枚となっており、増えることはありませんが、Ripple社のロックアップによって約500億枚は、まだ市場に供給されていない状態となっています。

毎月10億XRPのロックアップが解除され、リップル社が選んだ供給先に、OTC取引によって供給されます(取引所を通さない取引) そして供給されなかったXRPは再びロックアップされます。  →詳細はここ

XRPの性能をビットコインやイーサリアムと比較すると、拡張性、送金スピードともにXRPが優れています。なぜかというと、認証方法が違うからです。

さらに、XRPはスパム攻撃からネットワークを保護するために、使用されたXRPは少しずつ消滅していきます。つまり、XRPは通貨の価値が上がっていくデフレ構造となっているのです!

XRP基礎データ

発行日 2012年6月
時価総額 約1.3兆円 (第3位)
発行枚数 1000億枚 (ロックアップ480億枚)
アルゴリズム PoC(プルーフ・オブ・コンセンサス)
発行主体 存在しない
XRP価格 29円
スケーラビリティー 1500TPS 
 送金速度 4秒 

※2020年8月現在
ロックアップ状況→ここ

ビットコインとの違い

ここでは、ビットコインとXRPの違いを簡単に説明します。

BTCとXRPの大きな違いは、取引の認証方法です! (台帳への記録方法)

ビットコインはマイニングによってシステムの正確性を保つ「PoW」(プルーフ・オブ・ワーク)を採用しています。

XRPはリップルの推奨したバリデータ(認証組織)のノード(サーバー)の認証によってシステムの正確性を保つ「PoC」(プルーフ・オブ・コンセンサス)を採用しています。


・バリデータ
取引内容を、台帳に記録するうえで、様々なデータ(送金額、アカウント情報 etc.)が間違っていないかチェックする認証組織のこと。Ripple(リップル)の場合、バリデータの8割以上が取引を認証することによって、台帳に記録できる仕組みとなっている  →バリデータ

2020年現在、280以上のバリデータが存在し、リップルが推奨したバリデータ(UNL)は36 あります。そのうちRipple社が占めるのはわずか6つのみです (16%)。つまり、リップル社がXRPの認証作業に関わっているのは16%だけとなり、取引を改ざんすることはできません。

リップルが推奨しているバリデータには、みんなが知っている東京大学や京都大学も選ばれています! (詳細)

XRPは中央集権的?

仮想通貨のSNSを見ていると、XRPはビットコインと比べて中央集権的だ!とよく言われています。 しかし、それは間違いです!

なぜかというと、上記で説明した通り、XRPはバリデータ(認証組織)が分散しているからです。リップル社が認証作業に関わってるのはわずか16%です。もし、リップル社や他のだれかが不正をしようとしても、8割以上の許可が必要なため36×0.8=28ものバリデータと協力しなければいけません。さらに、このバリデータはこれからますます増えていきます!

対するビットコインは、多くのハッシュパワー(計算能力)を持ったマイナーが電気代の安い中国に集中しています。ハッシュパワーの分布はこのようになっており、上位4つのマイナーが協力することで、不正を働くことができるのです(51%攻撃)

ハッシュパワーの分布 (BTC.com参照)  2020年

以上のことからXRPは中央集権的でないことが分かります。

しかし、実際にXRPの開発のカギを握っているのは間違いなくリップル社です。

さらに、ロックアップしているとはいえ、1000億XRP中 約600億XRPはリップル社が保有しています。そのため、中央集権的と言われても仕方がない部分はあります。

まあ、少し見方を変えると、リップル社がXRPを保有していることにより、XRPを促進するインセンティブが働くという見方もできますね。

リップル社によるXRPの売却状況は、四半期ごとのレポートで知ることができます。

ODL(On-Demand Liquidity)とは?

ここまで、RippleNetやXRPとは何か?について説明してきました。

この章では価値のインターネットを実現するうえで一番大切な「ODL」について説明していきます!


・ODL=旧xRapid
かつて、xVia、xCurrent、xRapidという、リップル社が提供するソリューション(解決システム)があった。しかし、2019年10月頃にxViaとxCurrentはRippleNetに統合され、xRapidはODLとして名称が変更になった

「ODL」はOn-Demand Liquidityの頭文字です。直訳すると、送金の需要(注文)に対して流動性を与えるシステム(サービス)という意味になります!

あ~なるほど!よく分かりま、、、せんね!

より簡単に説明すると、ODLはXRPの仮想通貨取引市場における、XRP売買(流動性)を利用した送金(決済)システムとなります! (上記の図を参照)

ん~まだいまいちよく分からないので「ODL」とはなにか、もう少し詳しく説明していきます!



私たちの世界には約170もの法定通貨が存在します。

そして、国際送金をする場合、各法定通貨ペアごとの交換レートが必要になります。

170ある法定通貨の中から、2組のペアを作るとなると、14365組もの組み合わせになります。さらにマイナーな通貨ペアでは流動性(出来高)が少ないため、満足に交換することもできません。しかし、この間にXRPを挟むだけで、各通貨はXRPに対しての交換レートを持つだけでよくなるのです!


ODLを使用した国際送金の例 (ドル→フィリピンペソ) →わずか4秒!!!
  1. 国際送金を行いたい銀行(アメリカ)
    仮想通貨取引所でドルをXRPに交換
  2. 直ちにXRPを別の仮想通貨取引所に送金 (銀行と連結した取引所)
  3. 国際送金を受ける銀行(フィリピン)
    送られてきたXRPをフィリピンペソに交換

ODLを使った国際送金は、このようにして行われます!

ODLのメリット

ODLを使うメリットには、このようなものがあります

①時間とコストの削減
②ノストロ口座の廃止
③カウンターパーリスク払拭(第三者リスク)


①時間とコストの削減
ODLを使った国際送金はわずか4秒で完了する。
コストは従来と比較して、5~9割削減できる。
②ノストロ口座の廃止
国際送金するために、銀行は現地の通貨を保有しておかなければいけない。
この準備金口座を『ノストロ口座』といい、ノストロ口座の中には1000兆円もの資金が眠っている。ODLを使うことで、この死んだ資金を蘇らせることができる。
③カウンターパーリスクの払拭
カウンターパーリスク(第三者リスク)とは信用リスクを意味する。
XRPを使えば即時決済が4秒で完了するため、クレジットカードのような立て替え払いは必要なくなる。また、銀行はノストロ口座の管理コストを削減することができる。(保有通貨の暴落をヘッジするためのコスト)

ODLは流動性が命!

このODLの発展には”XRP取引の流動性”がとても大切になります。

なぜかというと、ODLはXRPを調達する際に、仮想通貨取引所を利用するからです。

この時、取引所に並んでいる買い板や売り板が薄すぎると、値段が飛んでしまい、送金コストが高くなってしまいます。

つまり、ODLにはリクイディティープロパイダー[LP]の存在が不可欠になります!


・リクイディティープパイダー(liquidity provider 【LP】
FX会社に”買い値”と”売値”を提供している、マーケットメイカーを指す
主に、買い値と売値のスプレット(差額)が利益になる

そして、Q2 2020レポートによると、このLPにリップル社がなるとの記載がありました!

A healthy, orderly XRP market is required to minimize cost and risk for customers, and Ripple plays a responsible role in the liquidity process. As more financial institutions leverage RippleNet’s ODL service, more liquidity is added into the XRP market. That said, Ripple has been a buyer in the secondary market and may continue to undertake purchases in the future at market prices.
和訳: 顧客の手数料とリスクを最小限に抑えるには、健全で規律のあるXRP市場が必要であり、Rippleは流動性プロセスにおいて、責任のある役割を果たしています。RippleNetのODLサービスを利用する金融機関が増えるにつれ、XRP市場により多くの流動背が追加されます。とはいえ、Rippleはセカンダリーマーケット(我々が使用している市場)での買い手であり、今後も市場価格でXRPの購入を継続する可能性があります。

今の所、詳細はよく分かっていませんが、LPが増えODLの流動性が向上することはいいことです。

ODLの流動性とXRPの価格は密接に関係しており、ODLを使った送金が増えるとXRPの価格が上昇します。なぜかというと、ODLに連結した取引所が増えると、よりXRPが必要になるからです。また、送金需要の分だけXRPは買われ続けることになるので常に買い需要が発生します。

最後に…

以上がリップルの解説となります!

少し専門用語が多く分かりずらいですね…

シンプルに考えると、XRPを使うことで、国際決済が劇的に変化する!ということですw

Ripple社は、アメリカの3大経済誌であるForbesの、『もっとも革新的なフィンテック企業トップ50社』に5年連続で選ばれています。

それだけ世界から注目されているユニコーン企業であり、これからの国際決済市場を引っ張っていく企業だということです。

自分はRippleNetとXRPの未来にすごくポジティブです^^

インターネット黎明期には電子メールで文字を送るのがやっとでしたが、今では動画や3次元の情報すら送ることができちゃいます。10年前にはスマートフォンでできることも限られていました。

つまり、RippleNetとXRPの可能性も無限に広がっているのです!なんだかワクワクしてきますね。

2020年6月には『PayID』というRippleNetを活用した世界共通の送金アドレスがリリースされました!  詳細はここ

銀行が必要のない国際送金がすぐそこまで来ています!

2020年8月現在、時価総額が1.3兆円とはるかに小さいXRPですが、10年後にはどうなっているのでしょうか?

投資の一部として買って眠らせておくのも良いかもしれませんね^^

END

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Author: てぃけ
相場歴8年目の26歳。 主に「為替」「商品」「仮想通貨」のトレードに関する記事を書いています。金利や投機筋のポジション動向、直観を軸にした、中期的なトレードがメインです。