こんにちは!
今回は最近よく聞く「COTレポート」の見方を解説しました!
COTレポートとは、アメリカのCFTCが発行するレポートを指します。
このレポートには、先物市場参加者のポジションが記載されており、このレポートを分析することによって、相場のプロフェッショナル達が保有しているポジションの動向を知ることができます。
「テクニカル分析を勉強しているのに全く勝つことができない…」
「FXで勝つための武器となる情報が欲しい…」
「スイングトレードで資産を増やしたい…」
このような方はぜひ最後まで読んで、COTレポートをFXに活かしてください!!
それでは行きましょう!
↑トレーディングビューでCOTレポートの内容を整理したチャート
FXでよく聞くCOTレポートとは何か?
COTレポートとは何か?
それは、CFTC(米商品先物取引委員会)が毎週金曜日に発行するレポートのことです。
このレポートには、CME先物市場におけるトレーダーのポジション状況、 ロングしている人数、 取組高などが記載されています。
つまり、COTレポートを分析することによって、相場のプロフェッショナル達の保有しているポジション状況が分かるということです。
このポジション動向や取組高を分析することにより、相場の流れを読む事ができ、大まかな資金の流れを把握できます。
具体的に言うと、今週の下落は新規ショートなのか?それともロングポジションの利確なのか?などの内部の動きが分かると言う事です。
そのため、ただ表面上の値動きを見てトレードするよりも、確実に優位性がUPします。
COTレポートはこのようになっています。


もう少し詳しく時間の話をします。
CME先物取引所は毎週火曜日の取引終了後に(アメリカ時間)、市場参加者のポジション保有状況を CFTCへ報告します。
CMEがCFTCに報告する時間は、アメリカ時間で17時(標準時間)になるため、日本では水曜日の午前7:00時になります。
その報告をCFTCがまとめて、金曜日の15時30分(日本では土曜日の午前5時30分)に発表します。
つまり、私たちは毎週水曜日AM7時における各ポジション動向を、土曜日のAM5時30分に知ることができるのです。(日本時間)
その集計結果を、CFTCが整理し公開したものがCOT(Commitments of Traders)レポートです。
この情報は注目度が非常に高く、全ての市場参加者が参考にしており、トレードしていく上でとても重要になってきます。
COTレポートのカテゴリーの解説。投機筋や商業筋とは何か?
COTレポートは、各カテゴリーに分類されています。
基本的に、先物市場で大きいポジションを持つ組織は報告義務が発生します。
この報告義務が発生するポジションは商品によって変わります。
例を上げると、ブレント原油の場合は350ポジション以上で報告義務が発生します。
詳細→https://www.law.cornell.edu/cfr/text/17/15.03
COTレポートでは、ポジションの大きさ以外に、使用目的によってポジションが分類されています。
このレポートには、新、旧、2つのフォーマットが存在しています。
それでは詳しく見ていきましょう。
旧フォーマットにおけるトレーダーは3カテゴリーに分類されています。
- 商業筋(Commercial)
実需に基づいた取引を行う企業(ヘッジ目的)
(例) 生産者(金 原油 農家)、 グローバル企業
- 非商業筋(Non-commercial)
値動きを分析し利益を追求するプロフェッショナル(流動性を提供)
(例) ヘッジファンド(いわゆる大口投機筋)
- その他(Nonreportable)
報告義務が無く、一般的に小口投資家と言われている
(例)個人投資家
新フォーマットではこのようになっています↓
商品先物
- 商業筋「Producer/Merchant/Processor/User」
実需に基づいた取引を行う企業(ヘッジ目的)
(例) 生産者(金 原油 農家)、 グローバル企業
- ディーラー「Swap Dealers」
主に取引企業に対するヘッジを目的とした金融機関。そのため、値動きと逆相関の傾向にある。
(例)銀行
- CTA(商品取引アドバイザー)「Managed Money」
CTAは日本で『商品取引アドバイザー』と呼ばれており、顧客から預かった資金を運用している。トレードによって利益を上げるプロフェッショナル。
(例)ヘッジファンド
- その他の報告義務がある組織「Other Reportables」
上記の3カテゴリーに分類されないトレーダー(組織)。用途が不明なため、あまり注目されていない。
- 報告義務のない組織「Non reportable」
報告義務が無く、一般的に小口投資家と言われている
(例)個人投資家

通貨先物
- ディーラー「Swap Dealers」
主に取引企業に対するヘッジを目的とした金融機関。そのため、値動きと逆相関の傾向にある。
(例)銀行
- アッセットマネジャー「Asset Manager」
年金基金を含む機関投資家
(例) 保険会社、投資信託
- レバレッジファンド「Leveraged Funds」
CTAを含むヘッジファンド。相場のプロフェッショナルと言われている。
(例) CTA、マネーマネジャー
- その他の報告義務がある組織「Other Reportables」
上記の3カテゴリーに分類されないトレーダー(組織)。用途が不明なため、あまり注目されていない。
- 報告義務のない組織「Non reportable」
報告義務が無く、一般的に小口投資家と言われている
(例)個人投資家

詳しくはこちらのPDFを参照。
COTレポートをFXに活かす方法。投機筋のポジションに注目
ここまでCOTレポートとは何かについて解説してきました。
次にこのCOTレポートをFXに活かす方法について見ていきます。
市場参加者が注目している項目は、ズバリ「投機筋のポジション動向」です。
なぜかというと、大口投機筋は一般的にプロフェッショナルたちが集まって値動きを分析し、その結果に基づいてポジションを持つからです(マーケットの縮図の様な感覚)
値動きはすべてを織り込んでいると言われるように、このポジション動向も様々な思惑が織り込まれています。
具体的には、値動きの上下を予測しポジションを取るアウトライトの取引や、ヘッジをかけるためのポジション、裁定取引(アービトラージ)などがあります。
それに対して、商業筋はビジネスを安定化させる上でのヘッジが目的なので意図が読みにくいです。
また、商業筋は基本的に売りでヘッジをかけますが、このポジションは将来の買戻し圧力として機能しません。
なぜかというと、現物で決済ができるからです。
例を上げると、GOLDの採掘者は、先物市場で将来の価格をヘッジし、採掘した現物のGOLDで決済できます。
対する投機筋のポジションは、現物決済ができないため、将来的に「反対売買圧力」として作用します。
特にファンドには個人投資家と違い決算があるので、決算に向けポジションを利確(整理)しなければいけません。
また、比較的多くのポジションを保有する大口は、それを決済する相手がいなければポジションを裁くことができません。
自分が多くのロングポジションを保有しているときに、市場のキャパがいっぱいになってしまうと、売りたくても買い手が少ししか余っていないため、売りたい値段で決済することができなくなるのです。
よって、市場参加者の多くのポジションがロングやショートに偏ると、決済が発生しやすいといった特徴もあり、逆張り指標として機能します。
これはCOTレポートの大口投機家における、ネットポジション(買ポジ-売ポジ)とGOLDの値段を比較したチャートです。

見ての通り、大口のポジション動向とGOLDの値動きは相関しています。
このポジションの推移と値動きを比べながら、どこで新規買いや新規売りが行われているのかなどを分析していきましょう。
この記事のまとめ
以上がCOTレポートの解説になります。
最後にこの記事の要点をもう一度確認しておきます。
- COTレポートとは、毎週 CFTCが先物市場のポジションを集計し、公開したレポートである。
- レポートは各カテゴリーに分類されており、投機筋やマネージドマネー、小口のポジション動向に注目が集まっている。
- 市場のキャパを考慮すると、投機ポジションは「反対売買圧力」として機能する。
- ポジション動向と値動きを比較することで、新規買い、売りの水準を知ることができる。
今回は以上となります。
最後まで読んで下さりありがとうございました!!