米国のインフレ動向を知るうえで大切な指標が「CPI」です。(消費者物価指数)
CPIが発表されると、為替や株価、ビットコインなどのボラティリティが高くなります。
なので、CPIを正しく理解する事は、FX・ビットコイン取引をする上で、とても大切です。
そこで、今回は「CPIの注目点」をトレーダー目線から解説します!
CPIとは何か?
CPIとは、「Consumer Price Index」の略で、消費者物価指数を意味します。
CPIは、米国の労働統計局によって定期的に発表される指標で、毎月第2週の火曜日に発表されます。
CPIには、市場全体の消費物価を示している「総合CPI」と、食品とエネルギーを除いた「コアCPI」が存在します。
CPIの値が高ければインフレが進行している事を示唆し、低ければデフレが進行している事が分かります。

CPIの内訳
CPIの主要なカテゴリーとその内訳は以下となっています。
- 食品と飲料(Food and Beverages)
牛乳、パン、卵、果物、野菜、肉、魚、ソフトドリンク、ビールなど。
- 住居(Housing)
家賃、住宅ローン、住宅保険、光熱費など。
- 輸送(Transportation)
新車や中古車、ガソリン、交通機関(バス、鉄道、タクシー)、航空運賃、自動車保険など。
- 医療保健(Medical Care)
病院費用、処方箋薬、歯科治療、保険費用など。
- 教育とコミュニケーション(Education and Communication)
大学の授業料、書籍、スマートフォン、インターネットサービス、郵便料金など。
- アパレル(Apparel)
衣服や靴の価格変動。
- 娯楽(Recreation)
映画館、スポーツイベント、音楽コンサート、テレビ・ラジオ、DVD、ゲームなど。
- その他(Other Goods and Services)
たばこ、美容院、ペット用品、家具、食器、生活用品など。
CPIの注目点
CPIの注目点は、その都度 市場環境によって変化しますが、基本的にトレーダーは総合CPIより、コアCPIを注視しています。
なぜなら、コアCPIに重きを置くことで、エネルギー価格の大幅な変動や、季節的な食品価格の変動に左右されず、インフレの基調をより正確に把握することができるからです。
また、パウエルFRB議長の記者会見を参考にすると、金融当局は根強いインフレ圧力の兆候として「エネルギーと住居を除いたサービス」を注視しています。
こういった注目点は、常日頃から経済ニュースを読んでアップデートした方が良いでしょう。
CPI発表前に確認すること
トレーダーが、CPI発表前に確認した方がよいことを紹介します。
- Fedの「Inflation Nowcasting」をチェックする
(Fedが毎営業日に更新しているインフレ指標)
- アドビデジタル物価指数(ADPI)の確認
(アドビが発表する、インターネット上でのCPI)
- 中古車価格の確認(Manheim Used Vehicle Value Index)
(中古車オークション大手であるマンハイムが発表する中古車価格指数)
- ミシガン大消費者信頼感指数をチェック
(次の12か月間の物価上昇率に注目)
こういった、CPIが発表される前に知ることができるインフレ動向をチェックして、上振れしそうなのか?どうかを考えて行きましょう。
CPI発表後に確認すること
CPI発表後に、最低限チェックした方がよいことを紹介します。
- 市場の値動き
CPI発表後は、為替、株式、ビットコイン取引などの値動きを確認して、何が強いか?弱いか?を確認しましょう。
- FedWatchの「Probabilities」
市場が織り込む利上げの確率がどのように変化したかをチェックしましょう。
- イールドカーブ
US Treasuries Yield Curveなどを用いて、カーブの推移を確認しましょう。
- 投機筋のポジション(IMM通貨先物ポジション)
CPIが発表された週の土曜日には、COTレポートによって、CPIを消化した後のポジション動向を知ることができるので、必ず確認しましょう。
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まとめ
以上、「FX・ビットコイン取引で重要な「CPI」の注目点を解説!」でした。
この記事の内容をまとめると以下となります。
- CPIはコアに注目する。
- 事前に入手できるインフレ指標を活用し、CPIのブレを予測する。
- CPI発表後に市場がどのように動いたのか必ずチェックする。
ありがとうございました!
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