この記事では、ビットコインの「採掘原価」の調べ方を紹介します。
採掘原価とは、ビットコインをマイニングする上で発生する費用のことを指します。
知っての通り、世界中には沢山のマイナーが存在するため、ビットコインの採掘原価を正確に予測することは困難です。
しかし、市場参加者に注目されている計算ツールを使うと、およその採掘原価を調べることができます。
ビットコインの採掘原価とはなにか?
採掘原価とはなにか?
採掘原価とは、ビットコインをマイニングする上でかかる総コストのことです。
(例) 機械代、電気代、人件費、土地代、税金 etc.
マイナーは市場価格より安くビットコインを採掘し、その値段の差で利益を上げています。
【例】
市場価格:30,000$
採掘原価:20,000$
30,000-20,000=10,000$の利益
しかし、市場価格<(採掘費+運用コスト)となるとマイナーは儲かりません。
つまり、採掘原価はマイナーの損益分岐点となります。
採掘原価は、
- 採掘難易度(Difficulty)
2週間に1回調整されるブロック形成における難易度
ハッシュレート(1秒間辺りの計算量)の増減が影響 - 運用コスト
(機械代、電気代、人件費、税金etc.)
これらの影響を受け変化します。
2022年 現在、各国におけるマイニングシェアは以下ようになっており、アメリカと中国で約60%のシェアとなっています。

アメリカ | 37.84% |
中国 | 21.11% |
カザフスタン | 13.22% |
その他 | 9.02% |
カナダ | 6.48% |
ロシア | 4.66% |
ドイツ | 3.06% |
マレーシア | 2.51% |
アイルランド | 1.97% |
イラン | 0.12% |
採掘原価の簡単な調べ方
それでは、採掘原価を調べて行きましょう。
採掘原価は市場で注目されている、計算ツールを使用して調べます。
現在、ハッシュレートシェアは以下のようになっています。

1番大きいシェアが「Unknown」なので、2番目に大きい「F2Pool」の計算ツールを使用します。
ツールでは、 以下が自動で入力されています。
- 現在のハッシュレート値
- マイニング機の単価
- 消費電力・電気代
- 採掘難易度・難易度の増加予測(%)
- 1年間の推定採掘利益率
自分で変更する部分は、「ビットコインの価格」だけです。
この価格を自分で調整し、計算結果の純利益がゼロになるなる値を求めます。
計算した結果が以下となります。
2022年6月時点では、26,095$と入力すると、純利益が「0.02$」になりました。(ゼロ)
この26,095$が、市場で注目される「採掘原価」になります。
※あくまで一例。
現在、ビットコイン価格が20,800$のため、市場価格が採掘原価を下回っています。
つまり、多くのマイナーが損をしている状態ということです。
採掘原価を下回るとどうなるか?
市場価格が採掘原価を割っても、マイナーがすぐにマイニングをやめることは無いでしょう。
それは、マイニングをストップした方が、赤字が大きくなるからです。
しかし、赤字経営が長期間続くと、撤退せざるをえない企業も出てくるかもしれません。
大切なポイントは、採掘原価を下回ると、マイナーからの売り圧力が小さくなることです。
理由は簡単で、「仕入れ値」よりも「売る値段」が安くなるからです。
また、市場価格が採掘原価を下回る状態が長期間続くと、採掘原価の水準がレジスタンスラインになる傾向があります。
これは、損失を回避したいマイナー達の売り板が並ぶからだと推測されています。
ハッシュレートとビットコインの比較
最後に、ビットコインとハッシュレートを比べたチャートを載せておきます。
2022年6月現在、ハッシュレートは値段と逆行して強気に推移しています。
ハッシュレートはビットコインの価値を裏付けるものです。
強いハッシュレートをみると、マイナーはビットコインに対して強気だという事が分かります。
2024年の半減期も踏まえると、下値は限定的になってくるかもしれませんね。